営業コンサルタントや営業コンサルティング会社を確かめる10項目

コンサルタントへ依頼する前に


ひとくちにコンサルタントといっても、専門分野や業界別のように、さまざまなコンサルタントがあります。その中から、営業活動という、業績に直結した、

営業専門コンサルタントを取り上げて

みましょう。なぜなら、セールスや、マーケティングのコンサルタントが、もっとも実力を推し量りにくい(ぶっちゃけ、コンサルティング・フィーに見合う効果があるかどうか分かりづらい)からです。

1.営業コンサルタントを選ぶ10のチェックポイント

営業コンサルタントを選ぶときにチェックしてみて下さい。10あります。
  1. コンサルティング費用が明朗か?(たとえば価格表を公開しているか?)
  2. どのように指導してくれるのか分かりやすい手順や内容があるか?
  3. 根拠に乏しい(しっかりとか、一生懸命とか、全力で等の)抽象的な表現でゴマかされないように注意して下さい。
  4. 研修やセミナーが中心か?精神論やテクニックが中心か?実地の指導が中心か?
  5. いつ、どこで、何をすれば、いい結果が出る具体策(やり方やノウハウ)を知っているか?誰にでも(新人セールスマンにも)理解できる営業理論を持っているか?(たとえば、PDSAといったフレームワークは、新人のコンサルタントでも知っています)
  6. その営業理論は独自か?
    (独自でなければ、同じ理論を教えているコンサルタントから、相見積りを取って比べましょう)
  7. コンサルタントが説く営業理論や営業戦略を一言でいうと何になるか?
    (営業コンサルタントであれば、エレベーターピッチを知っているはずですし、エレベーターピッチで伝えられるはず)
  8. セールス (やマーケティングのセリング) に関する著書があるか?
  9. アポの取り方やロープレ等のテクニックに偏っていないか?(営業体制強化や営業力向上などの理論面が体系的かつ具体的か?)
  10. 戦略(一年以上先を見越した作戦)と、戦術(その時々の作戦)が、別立ての体系図になっているかどうか?その営業コンサルタントなりの成功方程式(戦略戦術)を持っているか?
10項目もあると、かなり厳しいチェック・ポイントのように見受けられますが、これらのハードルをクリアできる営業コンサルタントなら、まずは、第一関門クリア。あとは、費用と、価値観が合うかどうかです。

2.営業専門のコンサルタントと営業力

  1. 営業専門のコンサルタントと、
  2. 営業力があるコンサルタント(営業専門コンサルタントという肩書きのセールスマン)と、
  3. 優れた営業マンだったコンサルタント(営業成績が優秀だった退役セールスマン)
は別であることを理解しておきましょう。その理由は3つあります。

3.営業専門のコンサルタント

営業コンサルタントは、独自の営業学を持っています。その営業学が、精神論にかたよっている場合もありますし、テクニック中心もありますし、体系化されている場合もあります。(ただし、体系化された営業学は稀です)もっとも多いのは、その人なりの魅力を武器にしている営業コンサルタント。そうかどうか?を見極めるには、

営業体系を持っているか?

訊いてみて下さい。持っているなら、体系図を見せてくれるはずです。営業の体系図を見せてくれる営業コンサルタントは、形式知化された独自の営業学を持っている証になります。また、

営業専門コンサルタント自身に営業力がある

とは限りません。営業コンサルタントの中には、引く手あまたの実力派コンサルタントがいて、彼らは、決して、売り込みません(セールスしなくても、依頼が入ってきます)から、むしろ、売り込まない営業コンサルタントこそ、本物といえましょう。
営業力(売る能力)と、営業コンサルタントとしての智識は別であることを知っておきましょう。

4.営業力のあるコンサルタント

第二に、営業力があるコンサルタントは、持ち前の腕(営業力)で、コンサルティング契約を取得しますから、知識や知恵の有無は関係ありません。

営業力(売る能力)と、創造力(生み出す力)は、別

であることを知っておきましょう。いかなるコンサルタントにも通用することですが、どこにでも通じる知識や理論ではなく、知恵や工夫を駆使して、クライアントだけが使えるオリジナルの創意を生み出せるかどうかが、優秀なコンサルタントの実力と定義していいでしょう。

5.優れた営業マンだったコンサルタント

第三に、優れたセールスマンだった営業コンサルタントが、誰にでも出来る(体系化された)営業方法を教えてくれるとは(スポーツに喩えると名プレイヤーが名監督とは)限りません。たとえば天才バッターから、
「こう来たら、こう打つ」
と、身振り手振りを交えて教えられても、なかなか打てるもんじゃありません。それと同じことです。営業成績優秀だった頃の暗黙知(勘や根性や経験則や状況)が、形式知(文字や理論)へ変換されていなければ、いかにトップセールスマンであっても、その技術を伝えられません。

営業力(売る能力)と、指導力(教える力)は、別

であることを覚えておきましょう。このように、セールスのコンサルタントといっても、
  1. 自分で売ってきた経験があって、
  2. その方法を教えることができて、
  3. その方法論を体系化して営業理論にしているコンサルタント
は、そう簡単に見つかりにくいものです。もしも1~3を兼ね備えている営業コンサルタントを見つけたら、依頼する際の有力な候補になります。

【まとめ】重要課題の見直しに迫られる可能性あり

このように、諸問題を解決するには、給与体系を見直したり、営業部の組織体制を変えたり、人事異動する必要があることを、マクロな視点で分析できるコンサルタントは指摘するはずです。つまり、営業コンサルタントを外部から招き入れるということは、

経営戦略へ影響するであろう重要課題の見直しに迫られる可能性が

あります。それを、

「面倒くさい。波風は避けたい。事なかれで、現状維持のまま」

というのであれば、営業コンサルタントへ支払うコンサルティング費用が無駄に終わる可能性が大きい(根本的な問題が解決されなければ、枝葉が変わるはずありません)し、逆に

「チャンスだ!直すべきところを直して、抜本的に改善しよう」

というのであれば、絶好の機会になるでしょう

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