話を聞かせてくれるインタビュイーに会えるかどうかが定性調査の鍵

マーケティング

リサーチは人ありき
このページを含む3ページで伝え尽くすのは不可能なほど、マーケティング・リサーチの奥は深いのですが、定義は簡単。

マーケティング・リサーチの教科書などでは、どう定義されているか知りませんが、リサーチとは(厳密には、定性調査とは)、

人の意見を訊く

ことです(7文字)

人の意見を訊くだけなのだからカンタン(笑)、誰にでも出来ます。

ところが、カンタンなものほど、奥が深くて、難しいもの。

筆者の体験談を例に挙げれば、ある調査対象のキーマンから、情報を聞き出すリサーチにおい
て、何が難しいかというと、

 調査で聞き出すテクニックではなく

そのキーマンに、

アポイントを取るのが最も難しかった

のが実情です。

なぜなら、アポイントが取れなければ、調査は不可能ですから。(調査レポートや請求書を出せませんから)

なので、アポイントの申し込みは、一発勝負になります。失敗したら、二度目のアプローチは極端に難しくなります。逆にいえば、

会ってしまえば、あとは何とかなる

といっていいでしょう。新規の営業活動と同様に、また会う可能性を残せます。
よって、一回目のオファーで如何に
「会ってもいいですよ」
と言わしめるかに、

全ての神経を集中させ、そのための計画

を練りあげます。



会わずとも、電話で聞き取る方法(テレフォン・サーベイ)もあります。

しかし、電話では、核心まで聞き出すことが難しい。調査活動は、営業活動に等しいのです。

調査活動=営業活動の図式を、勧誘活動へ言い換えれば、わかりやすいでしょう。

用意してある会場に人を集めて意見を聞くセントラル・ロケーション・テスト(CLT)という調査方法でも、情報を聞き出すことより、人を集めるのが最も大変。
なぜなら、道行く人に声をかけて、

「調査に協力してもらえませんか?」

と会場へ誘導しなければ、調査できませんからね。いわば、繁華街で

「社長!社長!いい子いまっせ」
と声をかけるポン引きと同じです(笑)

これが、なかなか引っかかりにくい(苦笑)

なぜなら、道行く人は、それぞれに予定があって、その道を歩いているので、そう簡単に次々と

「ハイいいですよ」

と協力してくれる人など少数。ヒマで道を歩いているビジネスマンなど皆無だからです。

特に、クルマや事務機といったビジネスマン対象の試用調査(製品試用、ネーミング試用、パッケージ試用)は、なかなかビジネスマンが捕まらずに苦労します。

そこで「謝礼に千円を払います」
とエサをチラつかせます。

アンケートの反応がプレミアム次第であるのと同じです。

また、新人が、新規を開拓し、ベテランが、同行営業するのと同様に、CLTの勧誘にあたるのは、スキルの低いリサーチャーであったり、時にアルバイトだったりします。

スキルの高いリサーチャーや、マーケティング部のスタッフは、会場の中で調査にあたります。この辺りの役割分担も、同行営業する営業活動に似ています。

但し、あらかじめ対象者を集めておく場合のCLTは、道ゆく人に声をかけなくても済みます。

その場合は、有益な情報を得られそうな対象者達をどうやって集めるかが問題になります。

どうしても集まらなければ人材派遣会社に相談して、対象になりそうな人だけを抽出して集めたこともありました。高くつきましたが(苦笑)

いずれにしても、リサーチは人ありき。いかにして、

調査対象者に会えるかどうか?

です。

リサーチ会社に就職して、リサーチのプロになるのでなければ、リサーチ技術を高めるよりも、先ず、たとえば、インターネットならSNSでコミュニティを運営しておくなどして、

質の高いインタビュイー(回答者)たちとスピーディーに接触できる環境を整えておく

ことをお勧めします。

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